相談・ケアについて

 女性のからだには「子どもを身ごもり、胎内で育て、産み出し、母乳で育てる」という働きが備わっています。しかし、現代を生きる女性の生き方は多様です。

 女性には性周期というものがあり、初潮から閉経まで、女性ホルモンにより守られています。時期でいうと思春期から更年期までです。女性に備わっている働きは、この性周期によりコントロールされています。女性は自身でこの性周期による様々な心身の変化と向き合い、管理して生きていかなければなりません。

産前のケア

 280日という月日のなかで、お母さんの身体は日々変化し、赤ちゃんも日々変化し成長していきます。お腹が大きくなるにつれ、赤ちゃんが成長していく喜びを感じ、赤ちゃんに会えるわくわくした気持ちになります。でも、マイナートラブルが起こったり、いろいろ心配事も起こったりします。妊娠週数に応じ必要な指導やケアを受けることで解決していきます。また、お腹で育っている赤ちゃんのことをもっと知っていると、胎児の時からの良い関わりにつながります。

産後のケア

 頑張ってお産をし「やっと会えたね」と思ったら、すぐに赤ちゃんにおっぱいをあげることが始まります。それがなかなか思うようにいかない。「抱っこの仕方、おっぱいのあげ方、どうしたらいいの」「どのくらい飲んでいるの」「夜も授乳で眠い」とお母さんは大変。時に大変な気持ちが大きくなってしまいます。お母さんばかり頑張らなくても、生まれたばかりの赤ちゃんも生きる術をしっかりと持っているから大丈夫。赤ちゃんもこともよく知って、お互いに相互作用を感じながら成長しましょう。指導やケアを受けながら、自分のやり方でゆったりと自信も持って授乳ができるようになります。

思春期のケア

 第2次性徴という身体の変化が起こります。初潮を迎え、女性としての機能が整い始めます。それに伴い心の変化が追いつかなくて、大変になることもあります。異性との関係性、友人との関係性、親との関係性など悩みも出てきますね。なかなか相談しにくいことも気軽に相談ください。親御さんでも本人さんでも大丈夫です。

成人期のケア

 自分らしさを形成し、仕事・結婚・出産・子育てと充実した時期です。しかし、さまざまな健康問題に直面することもあります。性と生殖に関しての健康を自分自身で管理していくために、気になることについては後回しにせず相談していきましょう。性と生殖については女性の権利として、守られている法律や制度があります。正しく情報を得て自分自身で決定できることが必要です。

更年期のケア

 頑張ってきた卵巣の働きは、そろそろリタイアしようとしています。40歳を過ぎると卵巣から出るエストロゲンは低下していきます。それに伴い身体も心も様々な不調が見られやすい時期です。完全に卵巣の働きが失われると閉経となります。平均閉経年齢が50.5歳なので、その前後10年くらいが更年期にあたります。更年期に起こる症状は辛いのですが、女性自身も周囲もよく理解していないように思います。気の持ちようでもありません。正しく理解し、その人に合った対処をすれば症状は緩和されますし、毎日を生き生きと前向きに過ごしていくことができます。さあ、人生100年時代これからです。